中級以上の学習者向け?『ドイツ語表現ハンドブック』
こんにちは。ドイツに来てからYouTubeの広告がドイツ版になり、スキップ不可時間が長すぎてイライラしているchiquewavです。
今回はドイツ語教材の紹介。昔の記事でもさんざん愚痴っていますが、ドイツ語の教材が日本では非常に少ないです。CEFRでいえばB2以上、独検だと準1級以上に相当するものが本当に無い。フランス語ならあるんですけどね。
なんと1988年の本になります。「古い教材は難しいものが多い」という私の謎理論に基づき、いろいろ古本屋やAmazonでリサーチしているうちに出会いました。
1. 構成
教育や経済、政治、交通といった日常のテーマについて、基本的な語彙・表現に加え、沢山の例文が掲載されています。日本のことについてドイツ語話者に伝える上で使える例文も用意されていて、覚えた分だけ(文だけ?)話せる・書けることが増やせます。
2. レベル
基礎語彙や文法が頭に入っていて、基本的な作文も問題なくできて、そこからさらに自然な、ドイツ語らしい表現を身に付けたい人のための本だと思います。独検なら1級の面接と作文、Goethe ZertifikatならB2~C1あたりの、比較的テーマに幅のある作文や会話に使えそうです。
独検準1級も面接はありますが、Bildbeschreibungなのでそれほど幅を持った表現は使わえなくても問題ないと思いますし、GoetheのB1以下だとテーマの幅が狭い上語数(Sprechenなら試験時間)も少ないので、そこまで豊かな表現を使う必要はなさそうですし、そんな余裕もないでしょう。
3. 注意点・問題点
・古い。
30年も前の本なので、書かれている内容が少々古いです。もちろん覚えた内容を一言一句間違わず発話する必要はありませんが。
・カセットテープ。
一応例文の音声があるのですが、別売りのカセットテープです。カセットテープですよカセットテープ。
・時々鼻につく。
日本人を見下したような(主著は日本人ですが)、鼻につく内容が時々書かれています。「ドイツならこうなのになぁ、日本はなぁ」みたいな、Twitterによくいる海外かぶれのようなコメントが散見されます。まあ些事ですが。
独検準1級、CEFRのB2以上という、ドイツ語の教材不足が深刻になってくるラインで役に立つ、非常に有用な本ですね。私も現在進行形(ドイツ語にはありませんが)で、古臭い部分は自分なりに変換して、表現力を拡張しております。