ドイツ語が好きなだけのブログ

ほぼ趣味みたいな感じでドイツ語を勉強しています。現在はC2目指して修行中。

Goethe Zertifikatにおける「モジュール受験」

ドイツ語検定試験「Goethe Zertifikat」において、「モジュール受験」という概念がありますが、それほど頻繁に受ける試験でもないために、最初の内はよくわかっていませんでした。なるべくわかりやすく説明してみようと思います。

 

 

1. モジュールとは

 モジュールとは、4技能試験の一つ一つのパートのことです。Lesen(読む)、Hören(聞く)、Schreiben(書く)、Sprechen(話す)、この一つ一つがモジュールです。

 

 

2. モジュール受験、非モジュール受験

 2021年8月現在、試験規定(Pruefungsordnung.pdf (goethe.de))によれば、

モジュール式…B1, B2, C2

非モジュール式…A1, A2, C1

という分類になっています。

※C1は2022年からモジュール式に移行

 モジュール式は、先述の4種類の試験が別々に評価され、4つすべて合格すればOK、というものです。合格点は6割です。つまり、4つそれぞれ6割以上得点する必要があります。不合格のモジュールがある場合、そのモジュールだけを1年以内に1度だけ再受験できます。

 非モジュール式は、別々の得点は出るものの、合否判定は読む/聞く/書くの3つ(schriftlich)で総合6割、話す(mündlich)で6割取れば合格です。モジュール式と違い、筆記3技能で総合6割取ればいいので、3つのうちどれかが6割を下回っても、他で補えば合格できます。(知人がLesenだけ5割でしたが、合格していました)

 

 

3. メリット?デメリット?

 モジュール式は、4技能すべてで6割取る必要があるため、バランスよく学習しなければなりません。大学の先生に尋ねたところ、Lesen、Hörenだけ落ちる人が多いようです。たしかに、Schreiben・Sprechenと違い、マーク式が多いため機械的な採点になりますからね。ちょっとした見落としや、知らない単語の連続なんかがあれば、もうその時点でロト6になってしまいます。一方で、落ちたモジュールだけ受けなおせるので、受験料も安く、集中的に対策ができます。

 

 非モジュール式の場合、Sprechenは個別評価ですが、筆記3技能が総合評価になるため、多少苦手な部分があっても他で補うことができます。ですが、例えばLesen70-Hören60-Schreiben45(総合58%)のように、一つの技能のせいで全体が6割を切った場合、6割を取れたほかの二つも受けなおす必要があります。8~9割ならまだしもこれぐらいの点数だと、受けなおしてもかえって下がってしまう可能性もあるでしょう。3技能受け直しなので、受験料も高くなります。Sprechenだけ落ちた場合は、モジュール式と状況は変わりません。

 

 

4. さいごに

 この2つの形式を理解しても、選択できるわけではなく、自身の受験するレベルによって決められているので、結局のところ全技能で6割を目指すのが得策だと思います。一方で独検は総合評価なので、とにかくどこからでも点数をかき集めればいいことになります。(1級はそうじゃなかったら一生受かる気がしない…)